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外注費で消費税節税になる?

Q:消費税10%の増税に備え、給与にて支給しているものを外注費に切り替えれば消費税の節税につながると聞きました。

そんなことが可能なのでしょうか?

具体的にどのようにすれば良いのか教えてください。

 

A:平成29年4月から消費税が10%に増税される法案が参議院で可決されました。この消費増税は、経営者の方にも、そうでない方にも、何とも頭の痛い話ですね。

さて、業務に対して報酬を支払う際に、給料として支払うのか、又は外注費として支払うのかにより、払う側にとっては消費税負担が大きく変わってきます。従業員に対する給料100万円には消費税は含まれませんが外注費100万円には消費税が含まれますから、外注費とした場合には、「課税仕入」となって納税する消費税が安くなります。

では、従業員の給料を外注費にする方法はあるのでしょうか?

1 給料と外注費の違いとは?

雇用契約に基づく場合は「給料」、請負契約に基づいて行う業務は「外注費」ということになりますが、両者の違いは

① 作業について、支払者が指揮命令を行っていないか

② 支払者が作業時間を管理したり、報酬を時間単位で計算するなど、時間的な拘束を行っていないか

③ 道具や材料は支払者が負担していないか

以上がすべて行われていなければ、外注費とできる可能性があります。

2 注意すべき点は何ですか?

実際には、微妙なケースが多いのも現実です。裁判例としては、塾の運営会社が、業務委託契約を結んでいる講師に支払った報酬に関し、外注扱いとしていたものが給与と判断され、課税処分を受けたような事例があります。

この例から分かるように、委託や請負の契約書を結んでいたとしても、税務署は実態で判断してきますので注意が必要です。つまり契約書の存在は給料か外注かを判断する大事なツールの一つではありますが、これだけで全てOKとなるわけではないということです。

3 税務署に否認されないためには?

給与ではなく外注費として主張するためには少なくとも

① 契約書や請求書、領収書をきちんと揃えておくこと

② 請求書には「時間×単価」のような紛らわしい書き方はしない

③ 道具類は作業者に用意させる

④ 給料と外注の支払日を変える

⑤ 支払いの相手方に事業所得として確定申告するよう声をかけておく

などなど、外形は最低限整えておくことが必要です。

その上で外注費としての実態を備えることですが、この部分は専門家である税理士に具体的に意見を求めておくべきでしょう。

社会保険の負担や従業員の勤怠管理などの面からみても外注化するメリットはいろいろありそうですので、これを機会に一度考えてみてはいかがでしょうか。

 

 

法人で消費税を節税する方法

消費税を節税する方法で、法人を新しく作る方法があると聞きましたが、具体的にはどの様な方法なのでしょうか?

 

A: 新規法人設立による消費税の節税

「法人を新設して消費税負担を少しでも軽くする」ということを耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。具体的には、個人事業から法人化するケースもあるでしょうし、法人を新設して、元々の法人の業務の一部を分社化したり、新設法人に業務の一部を外注に出すなど、いろいろなケースがあると思います。

ただし、制度を理解していないと、逆に損をしてしまうことがあるので、注意が必要です。新設法人を使った消費税節税の注意点はどんなところにあるのでしょうか。

1.新設法人による節税の仕組みと注意点

資本金1,000万円以下の新設法人は、原則として2年間は納税義務が免除されます。これは、消費税の納税義務があるかどうかは、課税される年度の2期前の売上が1,000万円を超えるかどうかで判断されるわけですが、設立後2期まではこの2期前がないからに他なりません。

但し、「特定期間の売上が1,000万円を超える場合には納税義務は免除されない」という条件があるので注意が必要です。簡単に言うと「1期目の開始から6か月間の売上が1,000万円を超えたら、2期目は課税事業者になる」ということです。

つまり、せっかく節税のために法人を新設しても、納税免除のメリットが1期で終わることもあり得るのです。

2.2期目も納税義務が免除されるには

では、新設法人を有効活用するためのポイントは、どこにあるのでしょうか。「1期目の開始から6か月間の売上が1,000万円を超えたら、2期目は課税事業者になる」わけですが、「売上」に代えて、同期間の「給与等の支払総額」で判断してもよいことになっています。

事業によっては、半年で売上が1,000万円を超えてしまうことはあると思いますが、「半年で給料等の支払総額が1,000万円以内なら免税」ということであれば、給料の支払額は事業者側で調整できますので、1期目の事業年度開始から6か月間の給料が1,000万円を超えないようにすることで、2期目も消費税の免税事業者となることができるのです。

法人を設立するには、登録免許税などの法定費用のほか司法書士などの手数料で少なくとも10~30万円の費用が必要になります。また、設立後は、毎年最低でも法人の府県民税や市民税で、7~8万円は必要になってきます。

これらの費用と節税額を慎重に比較しなければ、逆効果になることもありますから、実行する際には、専門家とよく相談されることをお勧めします。

 

 

 

※この記事は過去にメルマガで配信した内容です。
法改正等により、現状とは異なっている部分がある可能性がありますことをご了承ください。

2015年10月5日(Vol.138)、2015年10月19日(Vol.141