タワーマンションの画像

タワーマンション投資の節税は要注意!

Q:最近、都心のタワーマンションを使って相続税を節税する手法をよく聞きます。

果たして本当に効果があるのでしょうか?何か注意点があれば教えてください。

 

A:否認事例も出ていますのでご注意を!

最近、都心のタワーマンションを活用した相続税対策が注目をされています。この手法の概略は次の通りです。

タワーマンションを購入する際の価格は、建物価格と区分所有に応じた割合の土地の価格のふたつによって構成されています。タワーマンションの高層階は眺望が良いために同じ間取りであっても低層階と比べて購入価格は高くなります。しかしながら区分所有のマンション1室について、相続税における財産評価を行う場合は高層階の眺望などは考慮されずに、単に区分所有している土地と部屋の面積によって算出されます。これによりタワーマンションの高層階では、購入価格に対して相続税における財産評価は70%から80%も低くなることがあり得ます。

70%から80%も財産評価が低くなるという事は、1億円で購入した部屋が相続税を計算する際の財産評価では2,000万円から3,000万円になることもあるので、相続税を節税する効果があるとして注目されています。

ところが、このタワーマンションを使った相続税節税について、否認された事例が出てきました。この事例では、入院後に被相続人名義で物件を購入して、移転登記が終わった2週間後に亡くなられました。相続税申告においては、ルールにのっとって購入価格の約20%程度の価格で申告を行い、納税を済ませていました。その後に亡くなられた方から相続人に移転登記が行われ、亡くなられてから約1年後に第三者に売却をされていました。

この一連の流れについて、課税庁側は相続税を節税する目的での購入であり財産評価は時価額で行うべきだと判断をして購入価格の20%ではなく、第三者に売却をした価格で評価すべきだと指摘をしたのです。このように相続税を節税することだけを目的にしたタワーマンション購入は、認められないケースがありますので注意が必要です。

さらに最近になって問題になっているのは、タワーマンションの乱立と外国人投資家による購入です。東京都内においてはタワーマンションが乱立しており、購入後に売却する際の価格や賃貸として貸し出す際の価格が問題になってきました。さらには多くの物件において外国人投資家が購入しており、購入した部屋を外国人旅行者に貸出する事でマンション内が乱されている事例が多く報告されるようになり、タワーマンションの不動産価値についても疑問視がされる様になってきました。

そもそもの不動産投資としてもタワーマンションが魅力ある投資先で無くなりつつある中で、相続税対策においても否認されるケースが出てきましたので、タワーマンションを活用した相続税対策を検討される場合には、十分に注意をして下さい。

 

タワーマンション節税に規制?

先日、タワーマンションを使った相続税対策に規制が入ると新聞に報道されていました。

タワーマンションを使った相続税対策とはどのような内容なのでしょうか?

またすでにタワーマンションを相続税対策で購入してしまった場合、どのような対策を行えば良いのでしょうか?具体的に教えてください。

 

A:新聞報道では、タワーマンションを使った相続税対策に歯止めがかかる内容となっております。一部新聞記事を引用いたします。

『総務省と国税庁は2018年にも、価格の割に相続税が安くて済む高層マンションを節税目的で購入する動きに歯止めをかける検討に入った。現在は階層や購入価格にかかわらず一律となっている相続税の「評価額」を高層階に行くほど引き上げ、節税効果を薄める。高層階の物件は税負担が重くなる一方で、低層階を中心に負担が軽くなる人も出てきそうだ。

マンションなどの相続税を計算する際の基準になる総務省令の改正案を今秋にもまとめ、与党の税制調査会で議論する。早ければ17年に省令を改正し、18年1月から実施する見通しだ。

大都市圏で増える「タワーマンション」と呼ばれる超高層マンションは、眺望がよい高層階に行くほど価格が高い。同じ面積でも、低層階の数倍になることもある。ところがこうした高層マンションでは、相続税の算定基準となる「評価額」は階層や日当たりなどの条件によって差がつかず一律だ。マンション1棟の評価額を各戸の所有者がそれぞれの床面積で「均等」に分割しているからだ。国税庁が全国の20階以上の住戸343物件を調べたところ、評価額は平均すると市場価格の3分の1にとどまっていた。

この結果、超高層の部屋を買えば現金で相続する場合よりも相続税を減らせることが多い。例えば現金1億円を相続すれば、財産額から差し引ける非課税枠(基礎控除)などを考慮しない単純計算の場合で税率30%相当、3000万円の税金がかかる。一方、1億円で高層マンションを買えば課税上の評価額が数分の1ほどに小さくなる。評価額が3000万円なら相続税は15%相当の450万円で済む。

総務省と国税庁は実際の物件価格に合わせ、階によって評価額を増減するよう計算方法を見直す。具体的な増減幅は今後詰める。高層マンションの20階は1階の10%増し、30階は20%増しといったかたちで一定の補正を行う案が有力だ。』

(引用終わり)

相続発生時にタワーマンションを所有していると、大幅に相続財産評価を圧縮出来る効果があることと、相続発生までは賃貸として貸し出せば不動産収入を得ることが出来るために、資産運用と相続対策を兼ねることが出来るタワーマンション活用は非常に人気がありました。しかしながら本報道の内容が事実とすれば、早ければ2018年1月以降に発生した相続からは、財産評価方法が変わる可能性があります。

タワーマンションを使った相続対策を検討されている方にとっては、課税当局の今後の動きは注目しておく必要があります。すでに節税目的で購入をされた方については、当局の動きを見つつ、相続人への生前贈与や関連会社への売却などの何らかの対策を打つ必要が出る可能性があります。

タワーマンション節税に関するご相談は、相続税並びに不動産のプロフェッショナルと連携をしている弊社へお気軽にご連絡下さい。

 

※この記事は過去にメルマガで配信した内容です。
法改正等により、現状とは異なっている部分がある可能性がありますことをご了承ください。

2015年7月30日( Vol.121)、2016年2月4日(Vol.167)