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相続における民法と税法の違い

Q:相続においては法律によって範囲や考え方がちがう?

顧問税理士や銀行から相続対策について考える様に勧められています。

来年度より相続税が増税されるので、家族や会社の事を考えると相続対策について考えておいた方が良いとは何となく思います。

ただ、相続はややこしいというイメージがありよく分かりません。

そもそも法律に関連する法律によっていろいろと違うと聞きました。

何がどう違うのか教えて貰えませんか?

 

A: 民法と税法での相続人・財産の範囲が違います。

【相続人が違う?】

民法でも税法でも配偶者や実子の考え方に大きな違いはありません。ここで問題となるのは、養子の方や相続放棄をした方の扱いです。

民法では、放棄をした者は最初から相続人から除外されますが、相続税では計算上、相続人の数に含めて税額計算を行います。民法では、養子は縁組の日から嫡出子と同等の身分となり、相続人に加えられますが、相続税法では、実子がない場合で2名、ある場合は1名までしか相続人とみなしません。

胎児についても、民法が出生前から相続人と見なすのに比べ、相続税法では申告期限までに産まれた場合に限り、相続人として扱います。

【生命保険が違う?】

死亡した被相続人が契約者となっていた保険の死亡保険金を指定された子供などの相続人が受け取る場合を考えてみましょう。

民法による相続放棄を行った場合でも保険金は本来、相続人の財産ですから受け取ることができるのですが、相続税では、相続財産とみなし、相続税の課税対象財産と考えるのです。

つまり、相続放棄をして不動産などを相続しなくても、多額の保険金を受け取ったならば、相続税を払わなければならない事態が発生するのです。矛盾するようですがこれが「みなし相続財産」の制度なわけです。死亡退職金なども、本来、遺族に支払われるもので、相続財産ではありませんが、みなし相続財産として扱われ、相続税の対象となります。

【非課税財産がある?】

多くの財産に相続税が課税されるのですが、一部、政策的に非課税とされるものもあります。例えば、ほこら、墓地、神棚、位牌などもこれに当たります。つまり、広大であっても墓地としての機能しか有しない土地や高価であっても位牌などは非課税とされています。もっとも、金製の仏像や自宅敷地内に急造した御神体のないようなほこらは非課税ではないとの見解もあります。

また、事業を承継する場合なども社会福祉事業や宗教活動、その他公益を目的とする事業に使用されることが確実な財産については非課税とされています。

ただし、施設の利用や余裕金の運営などが相続人とその家族のみに限られる場合や役員が特定の者の意思で決定されるなどの場合は、非課税とされないことがあります。

※世間の関心が相続税に集まっていますネ。 しかし、増減税の両面からあまり影響がないとの試算結果もありますよ。冷静に対処しましょう!

相続・事業承継に関して気になる方は一度、おきがるにご相談下さい。

※相談料はもちろん無料です。

 

間違えた相続対策?

Q:この相続対策は正しいのでしょうか?

私(経営者)には3人の子供がいます。(長男・次男・長女)

事業に関する財産のほとんどを長男に相続させたいと考えています。

このままですと、私が死んだ後に財産分けで揉める事が想像出来るので、次男と長女を受取人にした生命保険へ加入しました。この相続対策は正しいのでしょうか?

 

A: このケースでは揉める可能性があります。

生命保険金は「みなし相続財産」であり、本来の「相続財産」とは別の考え方になります。さらに保険金を受取る権利は「受取人固有の財産」としてみなされます。

これらの事により、どの様な事が起きるかと言いますと、相談者が亡くなられると死亡保険金は次男と長女に支払われますが、その保険金とは別に相続財産を分割しなければなりません。仮に長男がすべての財産を相続したとしても、次男と長女には「遺留分」という法律で定められた財産分割を受ける権利があります。

すなわち、長男は次男と長女が受取った保険金の中から一部でも貰える権利はない替わりに、事業に関する財産を次男と長女に分割をしなければなりません。仮に一切、次男と長女に財産分割を行わずに納得してもらえれば良いですが、次男と長女は「遺留分」を侵害されたとして「遺留分減殺請求権」という権利を行使して長男に財産分割を求める事が出来ます。

この「遺留分減殺請求権」を行使されると、長男は法定相続分の最低半分は財産分割をしなければなりません。

ですから、財産分割がされない次男と長女を受取人にした生命保険契約では、相続対策になったとは言えません。この場合は、保険金受取人をすべて長男にして、長男が受取った保険金から次男と長女に対して遺留分減殺請求権に応じた金額を支払う様にしておけば良いでしょう。

保険金の受取人の設定を間違えると、とんでもない火種になりますので要注意です。ご自身で加入されている生命保険金の受取人は今一度、チェックをしておいて下さい。

もしご不安な場合には無料でご相談に応じますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

 

2015年からの相続税はどうなる?

Q:最近、新聞・雑誌等でよく目にする相続税の改正ですが、2015年以降に何がどうなるのでしょうか?相続税負担が増えるらしいですが、詳しく教えて貰えませんか?

 

A:2015年の相続税改正は、4つのポイントがあります。

1. 相続税額を計算する際の基礎控除が引き下げられます。

従来は5,000万円+(1,000万円×法定相続人数)で計算されていた基礎控除が、2015年以降は3,000万円+(600万円×法定相続人数)で計算される事となり、控除額が引き下げられる事により相続税の課税対象者が増える事が想定されています。

2. 税率が変更になります

従来は相続税対象金額に応じて、6つに区分されていた税率が8つに細分化されました。特に相続による取得金額が2億円超の方について、税率が引上げられましたでの、税負担が重くなりました。

3. 未成年者控除と障がい者控除が引上げられます

未成年者控除の控除額が20歳までの1年につき6万円だったのが、20歳までの1年につき10万円に、障害者控除の控除額が85歳までの1年につき6万円だったのが、85歳までの1年につき10万円に引き上げられる事になりました。

4. 小規模宅地等の特例が変更になります

小規模宅地等の特例が緩和されました。これは今回の改正の目玉でもあります。簡単に言いますと、居住用や事業用の宅地について一定の条件を満たせば、相続税の課税価格を計算する際に一定割合が控除される特例です。

この特例が活用出来れば、大幅に所有不動産に対する相続税課税価格を引き下げる効果が得られますので、非常に注目がされている特例です。

これら4つが2015年以降に開始する相続より適用がされる内容になります。特に最後4の「小規模宅地等の特例」については、相続税を計算する税理士でもよく間違えるポイントであり、税理士の業務上のトラブルで一番多いのがこの「小規模宅地等の特例」に関する項目と言われています。

相続対策・相続税試算などは、相続税専門の税理士に依頼される事をオススメいたします。弊社では相続税・贈与税等の資産税を専門にしているスペシャリストの税理士をご紹介出来ますので、ご興味のある方は一度お問い合わせください!

 

相続は本当にもめるのか?

Q:相続税が増税になり最近、相続に関する報道をよく目にします。

相続の事を当て字で「争続」と 言うくらいよく揉めると聞きますが、実態としてはどうなのでしょうか?

A:遺産が少ないほど揉めているのは事実です。

裁判所の統計データを見ていますと、非常に興味深いデータがあります。家庭裁判所へ持ち込まれた相談件数と遺産分割事件(調停・審判)件数を見ていますと、 平成24年度は相談件数が174,494件で、遺産分割事件として扱われた件数は15,286件となっています。

(最高裁判所「司法統計年報」より引用)

この件数は、この10年間で1.7倍近く増えており、相続はやはりもめる傾向にあるようです。さらに興味深いデータとしては、遺産分割事件のうち遺産総額が5,000万円以下の事案が、約70%を占めており(うち1,000万円以下の遺産総額が約30%を占めています)遺産総額が少ない事案であればあるほど話がまとまらないケースが増えている様です。

相続で揉めている主な要因としては、家族関係が希薄になっている事と個人の権利意識が強くなっている事が原因と言われています。さらに財産のうち不動産や経営者が持っている自社株など「分けにくい財産」が多い場合に、誰がどのように「相続」するのか?が揉める原因となっている様です。

国税庁の統計データによりますと、相続財産のうち不動産が占める割合は50%近くにもなっており、不動産をどの様に相続するか?は懸案事項であると言えるでしょう。

特に中堅・中小企業の経営者については、自社株と事業用不動産の問題が非常に課題であり、事業承継と合わせて資産の承継は企業経営においても重大なテーマであると言えるでしょう。実際に自社株と事業用不動産の相続を誤ると、経営の根幹を揺るがす問題にまで発展し、それが原因で事業継続が困難になるケースもあります。

円満な事業承継と自社株・事業用不動産の対策については、専門家と連携をしてご相談に対応しております。ご興味のある方は下記よりご連絡下さい!

 

相続放棄をしたいのですが・・・

Q:父親が亡くなり、遺産整理をしていると多額の借金があることが判明しました。

そのために相続放棄を検討しているのですが、相続放棄をすると生命保険金はどうなりますか?

また相続放棄をして受け取れる財産と受け取れない財産の違いは何でしょうか?教えて下さい。

 

A. 相続放棄をしても引き継げる財産があります。

相続放棄をした場合、相続人が本来相続すべき財産が引き継ぐことが出来なくなりますが、代わりに本来相続すべき債務も引き継がなくて良くなります。そのために、多額の負債や債務がある場合には、相続放棄をするケースが多くあります。

実際に、相続の放棄の件数は増え続けており、平成26年は18.2万件(平成25年は17.3万件)にもなっています。この背景には、借金を抱えたまま相続が始まり、プラスの財産よりも借金の方が多いというケースが増えていることがあげられると思います。

この相続放棄の手続きは、「相続放棄の申述書」を、相続の開始を知った日から「3か月以内」に、被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所に提出することで行えます。

ここで問題になってくるのが、「本来相続すべき財産」は何か?という点ですが、生命保険や死亡退職金は、死亡が原因で支払われるものですが、本来の相続財産ではない(みなし相続財産と言います。)ので、相続放棄をしても受取ることが可能になります。さらに墓地などの祭祀財産は一般の相続財産とは別個に承継されるものとされていますので、これらは相続財産に属さない財産とされています。

ですから、生命保険金や死亡退職金は相続放棄をしても保険金受取人が受取ることが出来ますので、保険金受取人に指定したご親族にはキチンとお伝えしておいて下さい。

ただし、相続放棄をすることによって相続人の順位が変わることになる点には十分な注意が必要です。例えば配偶者やお子様が相続放棄をすると、両親や兄弟といった他の法定相続人がその地位を引き継ぐことになります。ということは、他の法定相続人に債権・債務が相続されることとなり、債務による迷惑が親族に波及する恐れがありますので、くれぐれもご注意下さい。

 

 

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