節税対策②

法人向け節税保険という考え方

保険会社は、銀行や証券会社と同じように金融庁の指導のもとで営業をしています。保険商品に関しては、商品の販売の認可は金融庁が出し、国税庁の通達にもとづいて経理処理がなされます。通達から外れないこと、また、認可を受けた保険商品を扱うことによって効果的な結果が期待できます。

今までは国の認可を受けた節税保険商品を販売できていたのですが、2019年2月にバレンタインショックが起こり、その商品の販売が停止されました。

(2019/2/13に国税庁が解約返戻金の高い、全額損金計上のできる生命保険商品の販売について、各生命保険会社に販売についての疑義を提示した結果、大手生命保険会社をはじめ、外資系生命保険会社もその手のいわゆる節税保険の販売を停止しました。)

節税保険の販売をストップしてほぼ全ての営業マンが休業状態に入っていました。

さて、2019年6月12日の日本経済新聞に掲載された内容で、

生保協会「節税保険に効果なし」指針、策定へ。この指針では、生命各社が法人税の節税効果を強調して販売していた(節税保険)について、節税効果はないと明記して販売するよう各社に求める。節税保険は国税庁が課税ルールを見直し中で、各社が販売を自粛している。販売再開に向け、生保協会が指針を策定する。指針では、節税効果の大きさを示す(参考返戻率)を記載しないよう求める。

という記事が掲載されました。

ところで、同じ日の日経新聞で、2019年10月には「消費税が10%に」ということが骨太方針の素案に明記されたということです。増税延期を掲げて衆院解散に踏み切るとの憶測がありましたが、見送る方向が強まり増税延期の可能性がほぼなくなりました。

このことから、消費税が10%になることは、社長がうっかりすると(これまでは8%でしたが、今後は10%の消費税の納税分を確保しておかないと)資金不足が発生するリスクが高くなります。こんなことからも、節税保険がなくなるということで社長の資金繰りのツールが一つ減ることになり、困ったことになりますよね。

法人向け節税保険の販売停止後の対策は?

さて、2019年6月29日には、節税保険について、国税庁により、税務取り扱いの発表がありました。
詳細は別に譲るとして、高い解約金の返戻率の保険について保険料全額を今までは損金に算入する事ができていたものを、今後はそれを許さないということです。

この商品は本当に節税だったのか、というとそうではなくて課税の繰り延べと考えるものです。
払っている間の保険料は損金としても、解約すると今まで払ってきた保険料の90%近くが戻ってきます。
この戻ってくる現金はその時点で利益として計上することになります。
過去数年分がまとめて戻るので大きな金額になりますね。

この金額とは別に、利益をどうするか、ここが問題となってくるわけです。
一気に戻る利益を何で受けるか、なかなかそれなりの経費が出て来ない。
なので、生命保険のセールスは社長の退職金を用意しましょうというわけです。
ただ、社長がそううまい具合に退職できるわけがない。

しかし、実際には社長の多くは退職金目的というよりも、その後の企業業績の悪化、赤字や資金不足を恐れてその保険を購入していました。世間の社長の一番の心配事は、資金繰りにあります。

先ほども取り上げましたように、これから消費税が10%に上がりそうだし、景気が落ち込みそうだし。
そうなると売上が落ち込み利益が減る。資金繰りにも影響が。銀行はすぐに融資をしてくれない。
こうなると、利益と現金を保険の解約金で対応することができます。

こういったところで需要があったと思います。
言い換えれば利益と現金を簿外で溜めることができるということですね。

これが、今後、購入することができなくなります。さあ、社長様・・・

今までなら解約をしてお金が戻ってくることへの安心感を買っていたものです。

本当に利益を圧縮することや税を圧縮することができなくなったとお考えでしょうか?たしかに、上に記載したような保険商品はなくなるでしょうが、私たちはそれに代わるご提案もすることができます。

過去の節税保険と今後の生命保険の利用の仕方

過去に契約した節税保険はその時のルールで良い、ということなのでそこは安心して大丈夫です。
これは結構なお宝保険になりますね。

ただ、返戻率がピークを迎えたらどうすれば良いのか、一年だけ払うのがキツイ場合はどうしよう、などの局面がくることも想定しておかなくてはいけませんね。

さあ、これからの法人における生命保険の利用の仕方についてです。

その前に、保険料が経費になるのはどういう場合かを説明します。
契約の形態により、下記の3種類になります。

①保険料損金
今回のように国税庁が通達としてルール決めしたものです。法律に準ずるものです。今回のようにルール変更があります。

 

②福利厚生費
法人契約で、ザックリ書きますと被保険者が従業員全員となり、受取人が法人で解約金が無い保険とか。

 

③給与損金
法人契約で受取人が被保険者と同じ場合です。

 

上記のように3通りの契約方法で生命保険を契約するわけです。
節税保険は、①をベースに販売されていました。

今後は、①〜③をミックスして保険の利用を検討していくことになります。
例えば、以下のようなことについて、検討をすることができます。

  • 法人税の節税
  • 所得税の節税
  • 社会保険料の削減
  • 重要社員のやる気を引き起こす

まだまだ書きたいことはありますが、今回はこのあたりで一旦終了します。
近いうちに保険会社が新商品の販売や体制づくりをしてくることになります。
それを見極めて当ブログでお知らせしたいと思います。