株に関するトラブルの画像

名義株は早急に解消すべきテーマ

Q: 名義株はどの様なトラブルが考えられますか?

当社は創業してから30年近くが経過し、
社長を息子に引継ぎました。

これを機会にして、私(創業経営者)が
持っている自社株式を息子に渡していこうと
考えていたところ、

会社設立時に名前を借り
「名義株」の存在を忘れていました。

この名義株については
何とかしたいと思いながらも
面倒なので放置をしてきました。

この名義株を放置しておくと
どの様なトラブルが考えられますか?

 

A: 様々なトラブルが想定されます。

名義株とは一般的には「名義を借りている株」のことを言います。平成2年の商法改正以前は株式会社設立には最低7人の発起人が必要でした。そのため経営者は親戚・知人・友人に名前(名義)だけを借りて、自分でお金を出して会社を設立していました。この名前だけを貸している人の株式を「名義株」と言います。実態としては株主ではないが、株主として名前が残っている状態です。

この名義株が残っていることによるトラブルとしては、

・名義株主が死亡し、相続人から買取請求を受ける

・名義株主が少数株主権を主張して経営に関与する

というトラブルが考えられます。

このために平成2年以前に設立された法人であれば、まずは株主名簿もしくは、法人税申告書別表二「同族会社の判定に関する明細書」をご覧ください。そこに記載されている名義人が真実の株主であるのか、名義株主なのか確認し判別してください。これは創業者でないと出来ない作業であるケースが多いので、創業者が早急に確認を行って下さい。

名義株であることが判明した場合には、当該株式を引き受けた(譲渡を受けた)際の資料の整理(契約書、資金の流れが判る資料等)、配当金の支払い状況または新株の引き受け状況が判る資料、当該名義人の株主総会への出席状況が判る資料を整理します。そして、名義人が存命であれば、当該名義人から当該株式が名義株である旨の確認書を徴求し、取締役会で承認してもらうことを検討すべきです。そして、株主名簿又は別表二を書き換えてください。

名義株に関するご質問や対策についてのご相談は無料で承ります。

 

揉める株主構成

私が創業をして長年、
経営をしてきましたが、
そろそろ会社を長男に譲り

引退をしようと考えております。

おかげさまで今までいろいろな
対策をして、私が全て持っていた
自社株のうち40%はすでに長男に
渡しております。

まだこの状態でも安全とは言えず、
むしろ早急な対策が必要だと言われました。
一体、どう言うことなのでしょうか?

 

A.後継者に50%以上の株式が完全に渡るまでは注意が必要です。

多くの中小企業で生じる可能性が高い問題の一つとして、自社株に関連した経営権の問題です。特に業績が良い企業で、株主が分散しており、なおかつ後継者としてご子息などの親族を予定している場合は注意が必要です。

例えば、社長(父)・専務(長男)で、他の兄弟として次男と三男(会社の在籍は問わない)がいるようなケースにおいて、当初は社長(父)が100%の株式を持っていましたが、長男に代を譲ることを前提に自社株の贈与を行い、40%まで移行ができました。ただこの時点で父である社長が急逝した場合に問題が生じます。

相続人は長男・次男・三男の3人だけだったとしますと、相続人は3人ですから、父が保有していた株式60%を3人で20%ずつ分配し、長男の保有割合は40%+20%となりそうですが、実際にはそうとはなりません。

法律上は、父が保有していた株式60%は「準共有」という状態になり、相続人3人が共同で60%を保有しているという考え方になります。この状態ですと、次男と三男が結託をすれば株式60%分の議決権を行使することも可能になるため、兄弟間の仲があまりよくなければトラブルに発展する可能性を秘めています。50%超の議決権があれば、取締役に対する人事権を持つことになりますので、結果として次男と三男によって長男が会社を追い出される自体にもなりかねません。

この対策としては、早急に長男へ全株式を贈与させることが最も有効な防衛手段ですが、自社株式の評価が高くて簡単に贈与が出来ない場合、会社の定款を変更しておいて準共有状態時の議決権行使について規定をしておいた方が良いでしょう。

一般的に未上場会社の経営者で発生する相続は、「自社株式」という換金出来ない資産が多いために相続税だけでなく、経営権に関するトラブルが生じる可能性もあり得ます。生前は家族仲が幾ら良くても、トラブルになってしまったケースも多くありますので、出来る対策は講じておくに越したことはないと思います。

 

※この記事は過去にメルマガで配信した内容です。 法改正等により、現状とは異なっている部分がある可能性がありますことをご了承ください。

2014年6月26日(Vol.20)、 2016年5月16日(Vol.188)