ローリスクで不動産運用の画像
Q: 都心周辺部にまとまった土地を持っています。

売却も考えていますが、譲渡税のことを考えると、
今は得策ではないと思いますし、
有効利用するにしても
リスクは抑えたいと考えます。

何か、良い方策はありますか。

 

 

A. 将来的には売却を考えている土地であっても、
当面は有効利用する場合、
その期間は15年から20年を考えるべきです。

その考えに基づくと事業用定期借地権が
ローリスクで運用できると思います。

■金融機関借入方式、建設協力金方式による有効利用

バブル期には、大都市周辺空き地の有効利用を進めるため、
地主の人たちは、金融機関から借入して
賃貸マンションを建て、家賃収入で借金を返しても、
大きな利益が残ると思いました。

その後、周辺の家賃相場が下落し返済金を
下回る家賃収入しか得ることが出来ず、
手放さざるを得なくなった人たちが多くでました。

その後、ロードサイド地域では、
出店を希望する企業が「建設協力金」
と称する建築費用と同額を保証金として
家主(地主)に提供、

出店企業の希望する建物を建ててもらい家賃を支払い、
保証金を契約期間内(10年から15年)で
均等返済してもらう手法が流行りました。

しかし、これも出店企業が契約期間途中で
撤退する場合の保証金の返還について家主(地主)に
不利な契約内容が多くみられ、
結局、返還保証金相当分を金融機関から
借入するケースなども見受けられます。

■定期借地権による有効利用

平成4年8月に改正された「借地借家法」により
「定期借地権」が誕生しました。

従来の借地権と異なり、
当初定められた契約期間で借地関係が終了し、
その後の更新はありません。

この制度により、土地の所有者は
従来に比べ安心して
土地を貸すことができるようになりました。

■定期借地権の3つの種類

・一般定期借地権…借地期間を50年以上としたもの。
期間の満了に伴い、
原則として借り主は建物を取り壊して
土地を返還する必要があります(主に住宅系多い)

・建物譲渡特約付借地権…
契約後30年以上経過した地点で
土地所有者が建物を買い取ることを
あらかじめ約束しておきます。

買い取った時点で借地権がなくなります
(主に住宅、病院や介護・福祉施設等)

・事業用定期借地権…
借地期間を10年以上20年以下とし、
事業用に建物を建てて利用するための定期借地権で、
住宅には使えません(商業施設、スーパー、店舗等)

■事業用定期借地権

「一般定期借地権」や「建物譲渡特約付借地権」の場合、
少なくても30年や50年以上の契約期間が条件となります。
最終的に売却も考えている土地であるならば、
自身の存命中に判断を行うことを考えれば、長くて20年後までです。

事業用定期借地権であれば、
土地のみの賃貸で建物は土地賃借人が建てるもので、
地主にリスクはありません。

地代収入は、家賃収入に比べて確かに低いですが、
建物を所有しない分、建物に関する維持修繕費用、
管理費、建物の固定資産税等の支払いは発生しません。
支払いは土地の固定資産税のみです。

出店企業が契約期間中に契約解除を申し入れ、
撤退する場合でも、土地を更地にして返還してもらうので、
地主に債務や負担金が残ることはありません。

契約終了後には、あらたな借主を探すか、
土地を売却をするか、自由に考えることが出来ます。

先行きが不透明な時代では、
大きな負担は負わないようにしたいものです。

 

※この記事は過去にメルマガで配信した内容です。
法改正等により、現状とは異なっている部分がある可能性がありますことをご了承ください。

2016年11月7日(Vol.208)