瑕疵とはの画像

Q:先日、マイホームを購入しました。

売買契約書を説明してもらいましたが、契約書中に「瑕疵」があった場合の説明等がありましたが、あまり理解できませんでした。

「瑕疵」とは、いったい何ですか?「瑕疵」があった場合、どうなるのですか?

 

A.「瑕疵(かし)」とは、欠陥や通常、一般的には備わっているにもかかわらず本来あるべき機能、品質、性能、状態が備わっていないことです。不動産取引上の「瑕疵」には、多様な意味合いがあります。

■どんな「瑕疵」があるのか

一口に「瑕疵」と言っても、色々な「瑕疵」があります。不動産取引上の「瑕疵」には、以下の5つが考えられます。

1.     法律上の瑕疵…例えば、建物を建てることが出来ない市街化調整区域内の土地を、知らずに売買した等。

2.     権利上の瑕疵…登記名義人を売主と確信して、売買契約を締結したら、真の所有者が別にいたため、完全な所有権の行使が阻害されて取引ができない等。

3.     物理的な瑕疵…通常の欠陥等の工事ミス、雨漏り、シロアリ被害、地中埋設物(建物杭、基礎跡等)、土壌汚染等がある等。

4.     心理的な瑕疵…購入した物件で殺人事件や自殺、孤独死があった等。

5.     環境上の瑕疵…購入した物件のすぐ近くに、指定暴力団の事務所がある等。

■瑕疵担保責任について

不動産取引上、売買物件に「瑕疵」があった場合には、買主は売主に対し瑕疵担保責任を追及することが出来ます。瑕疵担保責任とは売買の目的物に瑕疵(その物が取引上、普通に要求される品質が欠けていることなど。欠陥がある状態)があり、それが取引上要求される通常の注意をしても気付かないものである場合に、売主が買主に対して負う責任を言います。

この場合、買主は瑕疵があることを知った時から、1年以内ならば売主に対し、損害賠償の請求ができますし、また瑕疵のために契約の目的を達することができないときは、契約を解除することもできます。

そして、いずれの請求をする場合も売主に過失(瑕疵があるということを知らなかった)があることは要件ではありません。

■瑕疵担保責任はどのような場合でも追求できるのか

前出の「瑕疵」があった場合、すべての「瑕疵」について売主に対して責任を追及できるかどうか、明確な判断基準がありません。物理的な「瑕疵」の場合、追及の期限はありますが、責任は追及できる可能性が高いですが、事件や自殺の場合、何年前まで遡って買主に告知するべきかの明確な基準はありません。

法律上の瑕疵の場合、目的物が善意の第三者に転売されていた場合、売主に売買代金の返還請求は出来ますが、物件の引き渡しを要求することは出来ません。

■改正民法での「瑕疵」の表現

現行の民法では「売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは…」と書かれていますが、改正案では「瑕疵」という用語は難解である上、その規定の適用場面について判例も明確でないため、実務は不安定であるとの法務省の見解に基づき、「引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは…」と見直される方向で検討されています。

また、不動産取引上での扱いや説明についても、改正民法に沿う形で、今後、分かり易く変わるものと思われます。

 

 

※この記事は過去にメルマガで配信した内容です。
法改正等により、現状とは異なっている部分がある可能性がありますことをご了承ください。
2017年1月16日(Vol.216)