消費税の画像

消費税を安くする方法

Q: 消費税率が8%にあがり将来的には10%になることが予定されています。

消費税の支払いにより資金繰りが悪化されることが予測出来るのでなんとか消費税を安くしたいのですが、何か良い方法はありませんか?

 

A:消費税の対象外の売上を作る方法があります。

消費税の仕組みは非常にややこしい仕組みです。簡単に説明をしますと、消費税の対象の売上になるかどうかは3つの区分に分けられます。

・ 課税対象売上

・ 非課税売上

・ 免税売上

まずは課税対象売上ですが、「事業者が事業として行っている事業」で「対価性のある取引」で「国内取引」が対象となります。ですので、一般的に行われる国内の商取引については消費税の課税対象となります。

次に非課税売上ですが、土地や社会保険診療などがこれに該当し、これらの商取引については消費税の非課税売上に該当しますので、消費税は課税されません。

最後の免税売上ですが、これは「国外取引」が該当し、輸出や非居住者に対する事業の売上について消費税は免税とされています。

この「非課税」と「免税」が実は大きな分かれ目になります。非課税売上に該当しますと、消費税を計算する場合にそもそも対象外となりますので、消費税の課税対象売上からは除外されますが、「免税」に該当する場合には、消費税の課税対象売上に含まれた後に「免税売上」に関連する仕入れで支払った消費税は控除出来る仕組みがあります。

国税庁のホームページにも下記の記載があります。

輸出取引は消費税が免除されますが、それに対応する課税仕入れには消費税及び地方消費税の額が含まれていることになります。この課税仕入れの金額には、商品などの棚卸資産の購入代金のほか、その輸出取引を行うのに必要な事務用品の購入や交際費、広告宣伝費などの経費なども含まれます。そのため、輸出の場合には、課税仕入れに含まれる消費税及び地方消費税の額は申告の際に仕入税額の控除をすることができます。(国税庁HPより抜粋)

免税に該当する輸出事業を行うことで、負担をした消費税の軽減や還付を受けることが出来るようになります。実際にとある調査では、輸出を行う大企業20社が2011年度に受けた消費税の還付額が総額で1兆円にもなるとの報告もあります。

ただし輸出による消費税の免税適用を受けるにはいろいろな条件があります。実際に検討をされる場合には、消費税に強い税理士や所轄税務署へご相談をされることをオススメします。

海外への販路拡大や消費税免税に関するご相談には、弊社ネットワークをご紹介いたしますので、ご興味のある方はお気軽にご連絡を頂ければ幸いです。

 

要注意!不動産業の消費税

Q: 不動産業を営んでいますが、今年からの消費税のルールが変更になったと聞きます。

具体的に何が変わってどうすれば良いのでしょうか?教えてください。

 

A:事業者は、原則的に、売上に係る消費税と仕入や経費などで支払った消費税との差額を納めることになっていますが、小規模事業者の事務負担を軽減するために簡易課税という制度が認められています。

この簡易課税制度では、仕入や経費にかかった金額を実際に集計することなく、売上高に業種ごとに異なる所定の「みなし仕入率」を掛けた金額を仕入税額として消費税を計算します。

不動産業は、従来この「みなし仕入率」が50%でしたが、平成26年度の税制改正の見直しにより40%に下げられ、消費税負担が増加することになりました。

この見直しは、平成27年4月1日以降に開始する課税期間から適用されることになっていますので、法人であれば平成28年3月末決算から、個人であれば平成28年分から適用されます。

1.原則課税のほうが有利?

簡易課税を続けてきた不動産業者にとって、みなし仕入率が下がることで増税になることは間違いありませんが、下がったからといってすぐに原則課税が有利かどうかというと、それは個々の状況によって変わるため、一概に判断できるものではありません。

例えば、不動産賃貸業の場合、課税仕入れに該当する支払いは、不動産管理料や修繕費、水道光熱費などが多いと思われますが、これらがどのくらいの金額なのか、また、そもそも住宅の貸付などは課税売上になりませんので、課税売上がどのくらいあるのかなど、総合的に検討し、シュミレーションしなければ分からないのです。

2.注意すべき点は何ですか?

消費税は、課税売上に係る消費税より課税仕入として支払った消費税が多い場合には、その差額の還付を受けることができますが、簡易課税の場合は還付を受けることはできません。

なぜなら、課税売上にかかる消費税から差し引く仕入税額が自動的に計算されることから、還付はあり得ないのです。では、新規に物件を取得する予定がある、つまり新規物件の取得の際に多額に支払う消費税について還付を受けたい場合にはどうすればよいのでしょうか。

この場合には、もし簡易課税を選択しているならば、原則課税に戻しておくことが必要です。

この際のポイントは、

① 適用を受けようとする事業年度の初日の前日までに申請すること

② 簡易課税を2年間以上、継続していること

などの規定がありますので、今後消費税10%時代を迎えるにあたり有利に行動するには、物件の取得時期や消費税の申請期限を今のうちから考えておくことが必要になってきます。

3.そのほか注意すべきことはありますか?

100万円以上の資産を購入した場合で、その後の2期で課税売上割合が極端に小さくなった場合など、その後の消費税が増加することもありますのでご注意ください。

また、100万円を超えるような大口の消費税還付の場合は、還付前に税務署から申告内容の確認が行われますので、適正な申告に努める必要がありますので、税理士に詳しく事情を説明し、アドバイスをもらうことが望まれます。

 

経過措置を使って消費税を得する方法

Q:消費税が再来年から10%に引き上げになる予定です。

ちょうど今、新たに土地と建物を取得する計画を検討しているのですが、消費税増税前に検討しておくべき事があれば教えて下さい。

 

A:2年後の平成29年4月から消費税が増税されます。2年後なんてまだまだ先だと思われる方もおられるかもしれませんが、今から知っておくことで消費税がお得になるケースもあるのでご紹介します。

なお、今回のお話は、これまで消費税が3%→5%→8%と増税された際に、改正日をまたぐ取引について、改正後でも一部旧税率が適用できる「経過措置」という対策がとられましたので、10%への増税時にも同様の措置が取られることを前提にしていますのでご了承ください。

1.経過措置って何ですか。

今回の消費税法改正で、平成29年4月以降の課税売上や課税仕入には、新税率10%が適用されることになっています。ところで平成29年3月までに仕入れたものを平成29年4月に売り上げると、仕入にかかる消費税は8%、売上に係る消費税は10%ということになり、どうもおかしなことになります。

そこで取引の安定化を図る趣旨で「経過措置」なる制度が設けられました。この制度は、対象となる取引に該当するものであれば、平成29年4月以降に行われる課税売上や課税仕入についても、旧税率の8%が適用されるというものです。

この制度を上手に使うことで、支払う消費税を少なく抑えることが可能になるということです。実際、26年4月の売上・仕入であっても消費税5%とした取引があったことに気づいておられる方もいらっしゃるでしょう。

2.主にどんな時に有利になりますか

今後、消費税額も高額となる住宅建築、事務所や工場の取得などを考えている場合には、特に購入や建築の契約のタイミングが重要になってくるのではないでしょうか。これまでの改正時の経過措置をみると、各改正日の6か月前が「指定日」として定められ、経過措置が受けられる境目となっていますので、今回の指定日は、改正の施行日である平成29年4月1日の6か月前の平成28年10月1日となりそうです。

そこで、この指定日までにどうすればよいのかですが、例えば、契約から引き渡しまで時間を要する「建築の請負」などの場合は、指定日の前日の平成28年9月30日までに契約を行えば、引き渡しが平成29年4月を過ぎても支払う消費税は旧税率の8%でよいことになります。

なお、ここでのポイントは、契約書等については平成28年9月30日までの日付が入っていることが必要であって、その日付を証明する書類までは求められていないことなのです。つまり、契約書等の日付だけで、旧税率の8%が適用されるということです。

3.経過措置で注意すべき点はありますか?

マンションや建売住宅の分譲などの「建物の売買契約」は該当せず、「経過措置」の対象にはなりません。「経過措置」の対象となるのは請負契約となっていますから、住宅以外でも大型設備機械を購入する場合も製造の請負契約であれば、該当します。

2年後の消費税率引き上げに備え、不動産の購入を検討されている方にとっては、抑えて置きたいポイントを解説しました。詳しくは顧問税理士にご相談されるか、ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

 

土地と建物の代金が不明な場合の消費税

先日、郊外にある倉庫を土地付きで取得しました。

ところが売買契約書等には土地と建物の合計金額しか記載がありませんでした。

この様な場合、どの様に計算をすれば良いのでしょうか?

消費税の計算上、大きな差額が発生するので気になっています。

 

A: 消費税の課税事業者が事業として不動産(建物)を売買した場合には、建物にかかる消費税は課税売上や課税仕入れに該当します。

売買契約書に建物部分の金額や消費税額が明記されている場合には、消費税の計算上問題は生じませんが、「土地・建物 合計○○円」とだけ記載されているような契約書もよく見かけます。

この場合、建物部分の金額はいくらとすればよいのでしょうか。平成29年4月から消費税が10%に増税されます。消費税額も決して小さな金額ではないので気になるところです。

1.原則は時価、分からなければ固定資産税評価額を使って案分するのが一般的

税法上の取り扱いでは、原則として土地や建物の価格は時価、つまり正常な不動産の取引価格とすることになっていますので、正常な取引の契約書の中で分かれていれば特に問題はありません。

また、例えば、契約書に消費税の記載がある場合には、その消費税額を税率で割り戻すことで建物の価格は算定できるでしょう。

では、土地と建物の金額が区分されていない場合はどうしたらよいのでしょうか。一般的に行われている方法は、土地、建物の固定資産税評価額により案分するという方法で、これは国税庁のホームページでも具体的に紹介されています。

これならば、同一の公的機関が同一の時期に土地、建物とも評価を行った金額ですので、この金額により案分するのが合理的と考えられるのはもっともなことでしょう。

2.ほかに方法はありますか?

固定資産税評価額を利用して案分する以外に方法はないでしょうか。

不動産の評価を行う専門家として不動産鑑定士という職業があります。不動産鑑定士は、対象物件の地域の環境や諸条件を考慮して不動産の高度な鑑定評価を行う職業で、不動産評価の唯一の国家資格者です。

不動産鑑定士は不動産を評価するに当たり、様々な観点から多角的に評価を行いますが、取引事例を見る際にはどうしても鑑定士ごとにばらつきが出るようです。この結果、鑑定士によって鑑定評価額が変わるということが多々あります。

もちろん、国家資格を持つ専門家の意見ですので、建物の評価額が大きくても、逆に小さくても鑑定士が自信をもって法に従って算出したものであれば、正当な評価額として採用することができるわけなのです。

固定資産税評価額による案分が実態とかけ離れていると思われる場合は、不動産鑑定士に依頼して鑑定評価書をとることも選択肢となります。

 

 

※この記事は過去にメルマガで配信した内容です。
法改正等により、現状とは異なっている部分がある可能性がありますことをご了承ください。

2015年3月19日(Vol.85)、2015年9月24日(Vol.135)、2015年10月15日(Vol.140)、2015年11月5日(Vol.146)