問題社員の解雇の画像

不良社員の円滑な辞めさせ方を教えてください!

Q:面接時はやる気が感じられ、「一生懸命働きます!」との言葉を信用して採用したところ、

試用期間の3か月を経過し、正社員採用した途端に、不平不満が多くなり、病欠、遅刻が増えてきました。

単純なミスも多く、能力も低いので、何とかこの社員を辞めさせたいのですが何かいい方法はないですか?

数千社のコンサルティング実績を持つ人事労務専門コンサルタントが回答します。

 

A:最近の解雇トラブルで問題になるのが、「解雇回避の努力」をきっちりと行ったかどうかということです。また対象労働者が労働基準監督署や労働組合、弁護士に相談するケースが増加しております。その際労働者側から提出を求められる書面が「解雇通知書」です。

ところが当社にご相談いただく多くのケースでは、この解雇理由が1~5個位しかなく、場合によってはたった1度のトラブルだけで首にしたいとの相談まであります。

そのような場合は、上記の解雇回避の努力をしたとは到底認められないとみなされ、不当解雇として扱われてしまいます。

中小企業においては人事考課の制度は整備されておらず、賃金を上げるのは簡単ですが、下げるルールがなく、賃下げでクレーム発生となり、不利益変更という民法を盾に噛みつかれるケースが散見されます。

また企業秩序を乱すなどの場合は解雇も可能ですが、数年雇用した上での能力不足による解雇は認められないことが多いようです。

そこで、企業秩序を乱す不良社員を解雇に持っていくためのポイントを下記に記します。

<スムーズに問題社員を辞めてもらうための8つのポイント>

①自己申告能力と現実能力との間の乖離を見極め、キッチリ評価するとともに嘘の能力申告を放置せず指導する

②就業規則の整備(経験の浅い専門家への相談は避ける:本則だけで50P~80P)の実施、さらに賃金、賞与、退職金、賞罰、競業避止、不正競争防止等20~30の規程全てを整備し、トラブルの回避や予防に徹する(300~400P位は最低でも必要)

③高額の年俸で雇用する場合は、地位特定者の労働契約を締結し、能力不足の場合の賃下げが可能となるよう備える

④問題発生の都度、業務改善命令書と業務改善報告書の提出を求める

⑤能力不足やミスの指導については、詳細に指導記録(票)に記載する (100回の口頭指導より5枚の指導記録の方が裁判では有利に!)

⑥解雇通知書に記載する際は、上記④の業務改善命令や⑤の指導記録を少なくとも15~20個程度は押さえておく

⑦問題社員は入社時に嘘の履歴書を提出してくることが多いので、再度過去の勤務先に在職期間を問合せし、経歴の詐称の根拠を押さえる

⑧経歴詐称による自己申告能力の水増し等が判明した場合の過払い賃金に対する損害賠償条項を整備しておく

一旦人を雇うと簡単には辞めさせられません。特にその社員が能力不足であった場合は、十分な指導を行い、解雇回避の努力をこれでもかというほど実施することが求められます。

入り口で手を抜くと出口で十倍苦しむことになります。入社前に多くのフィルターにかけてふるいにかけることをお勧めします。

 

遅刻・早退が多い社員を辞めさせたい

Q: 遅刻と早退を繰り返す問題社員が一人います。

何度注意しても改善しません。その社員を辞めさせたいのですが、どの様にすれば良いでしょうか?

 

A:社員を辞めさせる方法に解雇があります。自主的に退職してもらえれば問題はありませんが、遅刻や早退を繰り返す「問題社員」が自主的に退職をするケースは少ないと言って良いでしょう。

放っておくと他の社員へ悪影響を及ぼす可能性も高くなりますので、「解雇」という強行手段を使って社員を辞めさることになりますが、問題社員をどのように「解雇」すればトラブルを防げるのか?は押さえておきたいポイントです。

まず「遅刻や早退を繰り返す」ということは、労働契約上の違反行為に該当するので、「解雇」事由に該当します。ですが「解雇」となるとなかなか踏み切れない会社も多いのではないでしょうか?

社員を解雇しても問題にならないためのポイントは2点です。

・ 解雇することに客観的・合理的な理由がある

例えば、就業規則上に解雇理由が明記されており、その事由に該当する場合などが挙げられます。

・ 解雇をすることが社会通念上、妥当である。

一般的な常識から見て、解雇をしてもやむを得ないと判断出来る事情があること。

この2点を押さえておけば、仮に解雇された側の元社員から訴えられたとしても、企業側が勝てる可能性は高まります。

解雇がトラブルにならない様にするために押さえておきたい流れとしては、

・ 遅刻や早退の回数や頻度、事前の届け出の有無やその理由が妥当かどうか?

・ 解雇に至るまでに社員に対して、適切に指導・注意・警告が行われたか?

・ 社員の遅刻や早退が業務上、どの程度の影響があったのか?

の3点を踏まえた上で、

◯就業規則上に解雇事由が明記されている

◯社員に対して注意を行い、改善を促す

◯それでも改善しない場合には、書面で警告し始末書の提出を求める

◯まだ改善しない場合には、自主退社を促す様に社員と話し合いを行う

◯自主退社しなければ解雇を実施する

なお解雇を実施する場合には、解雇手当として1ヶ月相当分の賃金を負担する必要があります。

くれぐれも注意しなければならないのは、問題社員に対して感情的に対応することです。不良社員に対する怒りや不満はわかりますが、感情的に対応しても何一つメリットはありません。むしろ「パワハラ」だと言い出されると解雇が無効になったりして、元社員側に有利な状況を与えてしまいます。

社員の労務トラブルについては、専門家をご紹介することが出来ますので、何かお困りの際には弊社へご相談くださいませ。

 

 

能力がない社員を解雇出来るか?

中途採用した社員の能力不足が明らかとなり、こちらが期待していた成果が出せない社員がいます。

この社員を解雇したいと考えていますが、解雇はできるのでしょうか?

 

A:解雇が認められる場合もありますが、慎重な対応が必要です。

他の社員と比べて仕事が出来ず、与えた業務を完了させるのに時間が掛かる社員を解雇したいという社長のご相談は多くあります。本人の能力が不足しているという理由で社員を解雇することは現実的には不可能と言えるでしょう。

一般的に解雇が難しい理由としては以下のものが挙げられます。

・  社員に求める能力を会社がはっきりさせていない

・  能力が欠けていることを証明出来ない

・  労務管理がキチンと出来ていない

「社員に求める能力」は、労働契約などで会社が社員に求める能力を明示させておく必要があります。次に「能力が欠けていることの証明」は、適切な評価制度を導入し、業務に対する指導を徹底しておく必要があります。最後の「労務管理」は主観的な判断ではなく、業務実態をしっかりと管理する仕組みを準備しておく必要があります。

このために「能力がない」という理由のみで解雇することは現時的にはハードルが高いと言えるでしょう。ただし実際に、能力不足を理由に解雇が認められた事例もあります。この事例でのポイントは、

・  会社側は数年間にわたり、社員へ指導したり配置転換を勧めるなどの改善のチャンスを十分に与えていた

・  技術職として期待していたスキル不足が明確であった

・  社員の勤務態度が悪く、能力不足に対する反省がなかった

という3点が挙げられます。これらのことが総合的に重なると、能力不足による解雇も止む無しと判断される場合があります。

以上のことを踏まえまして、実際に能力が劣る社員へ会社が行うべき対応は以下の流れになります。

・  改善への指導を実施する

・  指導した内容の実践状況をチェック

・  必要であれば再度、改善指導を行う

・  配置転換を行う

・  退職を勧める

・  解雇を実施する

この内容を実施する際に注意すべき点は、「記録を残すこと」と「焦らずに時間を掛けること」の2点です。ただしこれらの要件をすべて揃えたからと言って、能力不足の社員を解雇することがすべて認められるとは限りませんので、くれぐれも注意をしながら進めてください。

実際に対応される際には、労務トラブルに精通した社労士や弁護士としっかりと相談をして取り組まれることをオススメいたします。

 

問題社員を解雇したい

Q:社内で上司の指示に従わず問題行動や発言を繰り返す社員がいます。

この社員の影響で、職場の雰囲気も悪く、お客様からもクレームが出るなど問題が多発しています。

早急に解雇したいと考えますが解雇は出来ますでしょうか?

 

A.問題社員を解雇する事は出来ますが、きちんと手順を踏む必要があります。

組織を乱す問題社員がいると、職場を混乱させて周りの社員へ悪影響を与えるだけでなく、お客様とトラブルを起こすなど、社内外に大きな波紋を広げます。そのために、この様な問題社員を解雇したいと考える経営者は多いと思いますが、注意すべきポイントはいくつかあります。

まずは、問題を起こしている社員の言動について、何が問題なのかを明確にしておく必要があります。問題社員の言動について感情的な対応をするのではなく「法律的な問題点」と「就業規則違反」を明確にします。ここが曖昧になると後々、解雇をしたとしてもトラブルになるケースも想定されます。この明確になった問題点や対応については、詳細に記録を残しておく必要があります。

問題を起こす社員に対して、いきなり解雇する事は出来ないので、まずは「口頭による注意」を行い、それでも改善されない場合には「書面による改善指導」を行います。そして書面による改善指導でも効果がない場合には、初めて解雇を検討することになりますが、この段階までの状況についても詳細に記録を残しておく必要があります。

最終的に解雇をした場合、解雇された問題社員が、「不当解雇だ」として訴えてきたとしても、「法律的な問題点」と「就業規則違反」が明確になっており、その社員の言動とそれに対する指導に関する記録が明確に残っていれば、裁判になったとしても会社側が勝訴する可能性は十分にあります。実際に過去の裁判例でも、解雇された問題社員が訴えてきたとしても、会社側が上記対応をキチンと行っていたために、会社側が勝訴している判例は幾つかあります。

過去に本メルマガでも解説をしてきましたが、解雇をする場合はいきなり解雇をする事は出来ませんので、下記の手順を経る必要があります。

・ 問題の明確化と記録

・ 口頭注意

・ 書面による改善指導

・ 懲戒処分

・ 退職勧奨

・ 懲戒解雇

なおこの様な問題社員が出てきた場合には、すぐに対処をしておかないと周りの社員へ悪影響を及ぼすだけでなく、社外への悪影響も想定されますので、早急に対応する必要がありますが、すぐに解雇が出来ない事を覚えておいてください。そして実際に対応される場合には、弁護士又は社会保険労務士といった専門家と連携をして、後々問題にならない様にしっかりと対処してください。

 

 

 

※この記事は過去にメルマガで配信した内容です。
法改正等により、現状とは異なっている部分がある可能性がありますことをご了承ください。

2014年11月17日(Vol.55)、2015年9月14日 (Vol.133)、2015年11月12日(Vol.148)、2016年8月29日(Vol.200)