住宅ローンが払えない場合の対処法
Q: 今期より役員報酬を減額したので住宅ローンを毎月支払えるか不安です。
もし、払えなくなったら、どうなるのでしょう。
A:住宅ローンは20年や30年の長期に渡って支払う借入金です。貸す側の金融機関にとっても、長期の貸付金で、不払い事故も割と少なく、担保もしっかり取っているので、収入の大きな柱となっています。
しかし、長期に渡る不況や不振企業のリストラ等で、住宅ローンが支払えなくなっている人が増えています。住宅ローンがこのままでは、支払えそうにない場合や、すでに払えなくなっている場合、どのようにしたらよいのでしょうか。
1)このままでは、2~3か月後には、毎月の支払いが出来そうも無い時
A.まず、金融機関に相談して、金利を下げてもらう。
・当初の店頭表示金利のまま返済している人で、返済期間の半分くらいを過ぎた場合には、優遇金利(店頭表示金利マイナス1~1.5%)を適用してもらえる場合があります。他の金融機関への借り換えを考える場合、金利以外に保証料や抵当権の抹消と新規設定費用等ことを考え、よく検討した方が良いです。
B.返済計画の見直しを相談する
・元金の一部返済、ボーナス返済をなくす、返済期間の延長、1~2年の間、元金返済の猶予等、支払える金額を言って相談する。
2)すでに3か月返済をしていない場合。
A.すでに金融機関から、保証会社から一括弁済を受けた旨の通知が来た場合。
・ほっておくと、自宅は競売にかかります。すぐに金融機関に相談してください。任意売却を選択した方が良い場合もあります。
B.裁判所から競売開始決定通知が来ている場合。
・競売開始決定から競売まで、まだ時間があります。すぐに金融機関に相談してください。任意売却を選択した方が良い場合もあります。
<競売と任意売却>
競売は裁判所が行う競争入札による不動産売却方法です。一般的には時価相場価格より低い価格で落札される可能性が高いです。
任意売却は通常の売却方法で市場価格(相場価格)により売却されます。自分の住んでいる地域の新聞折り込み等を見てみると、自分の住宅の大体の価格が分ると思います。住宅ローンの残高と自分の住宅の市場価格を比べてみて、市場価格が高ければ、任意売却で進めた方が良いかもしれません。
住宅ローンの残高の方が市場価格より多い場合でも、引っ越し費用や、担保抹消費用等の面倒を見てくれる場合もありますので、最後まで粘り強く交渉をした方が良いです。
競売になり多額の債権が残って破産等をした場合、次の人生の出発に当たりクレジットカードが作れなかったり自動車ローンも組めなかったりして不便なことが多いです。自分の過去は、きっちり清算しておきましょう。
住宅ローンだけでなく、金融機関の借入に関するご相談についても、弊社提携のコンサルタントがご対応を致しますので、お気軽にご相談下さい。
住まいは賃貸?購入?
住まいについて、賃貸の方が良いのか購入が良いのかどちらが良いのでしょうか?
A:生活基盤が整い、家族が増え、子供が小学校や中学校に進学し出すと、今まで家に関心がなかった人も、そろそろ、住まいの拠点を考え出す頃です。そこで、賃貸がいいのか、購入がいいのか悩むことも多いと思います。
ある住宅情報誌によると、「賃貸」と「買う」について100人に聞いています。
<満足しているポイントは?>
「賃貸派」1位…立地54点 2位…気楽さ32点 3位…住居費31点
以下 4位…ランイングコスト18点 5位…広さ14点
「買う派」1位…立地37点 2位…資産性30点 3位…住居費28点
以下 4位…広さ18点 5位…老後の安心15点
「賃貸派」も「買う派」も、「立地」や「住居費」については満足しています。ただ、「賃貸派」の「立地」は、2位の「気楽さ」と連動して住み替えが気楽にできるということのようで、「買う派」の立地は、2位の「資産性」と連動して、将来の不動産価格まで考えてのことと思われます。
「居住費」についても双方とも3位に入っていますが、「賃貸派」の「居住費」は、「立地」の割には家賃が割安であると考えられますが、「買う派」の「居住費」は、買わないと叶わない広さを満喫できることと考えられます。
<後悔しているポイントは?>
「賃貸派」1位…防音性13点 1位…老後の不安13点 3位…不満なし12点
以下 4位…資産にならない11点 5位…手を加えられない10点
「買う派」1位…不満なし21点 2位…広さ11点 3位…住居費9点
以下 3位…眺望9点 3位…ランニングコスト9点
「買う派」の「不満なし」は、満足度の高さがうかがえます。「眺望」や、「広さ」などは、特に「賃貸」では満足できないことを「買う」ことで満足することができると考えられます。「賃貸派」の不満は「防音性」や「手を加えられない」で、「賃貸」では仕方がないのかもしれません。また、「老後の不安」や「資産にならない」は「買う」しか解決はしません。
<今後、家を買う? 賃貸に住み替える?>
「賃貸派」に聞きました、今後家を買いたいですか?
YES…67人 NO…22人 その他…11人
「買う派」聞きました、今後賃貸に住み替えたいですか?
YES…13人 NO…78人 その他…9人
「賃貸派」の7割近くが将来家を買いたいと答え、「買う派」の8割近くが将来賃貸に住み替えたいとは考えていないと答えているように、家は「購入する」のが多くの意見でしょう。
社会人になってすぐ、家を購入するというのではなく、サラリーマンなどは結婚や将来の生活基盤、子供の教育環境、両親の居住地や同居のことなども、しばらく賃貸で住みながら考えることでしょう。
また転勤の多いサラリーマンなどは、家を購入する場所は、もし転勤しても持ち家を賃貸として貸し出せる場所を考えましょう。住宅ローンの返済期間を考えても、35歳くらいまでは、賃貸で色々なところで住んでみて、将来の自分の城の場所をよく考えることです。
老後資金に備える方法
Q:年金がもらえる年齢になりましたが、
金額が少ないので、
先のことを考えると不安です。
自宅は持ち家なので、
手放せばある程度の資金を
確保することは出来ますが
新たな住まいを考えなくてはならないので
ためらっています。
何か良い方法はないでしょうか。
A.「リバースモーゲージ」という制度があります。
これから急激に高齢化が進むなか、年金や医療、福祉の給付負担の世代間不均衡が深刻になってきています。
反面、65歳以上持ち家率は88.9%を超えています。本格的な高齢化社会が到来するいま、老人であるための漠然とした将来不安などのため過剰貯蓄が消費へ流動化しないでいます。日本経済が低迷から抜け出すためには高齢者の消費を拡大する必要に迫られていると思われます。
公的年金への信頼感が薄らいでいる昨今、住み慣れた自宅を手放すことなく生活資金を借り入れることができるリバースモーゲージへの期待が高まっています。
リバースモーゲージとは、直訳すると「逆・住宅ローン」といった意味になります。自宅を担保に金融機関から老後の生活などに必要な資金を年金方式で借り入れ、死亡時に自宅を売却して一括返済するのが基本的な仕組みです。最初にまとまった金額を借り、その後月々返済していく通常の住宅ローンとは逆のパターンをたどるので、そんな名前が付けられています。
■ リバースモーゲージの主な特徴(不動産担保型老後資金ローンの一例)
◯1年に1回一定額が借りられる
自宅を担保に、ゆとりある生活のための余裕資金として、一定期間の間は年金のように毎年1回一定額を借りることができます。
◯借入期間中は利息を含め返済不要
利息は借入残高に組み入れられる方式もあるので、借入期間中は借入金の返済は一切不要です。取引期間終了時に借入金を返済します。
◯借入金は一括返済
借入者が亡くなった時に、自宅の売却などにより借入金を返済して、残額は相続人に渡されます。
◯自宅を手放すことなくゆとりの生活
長年住み慣れた自宅を最大限有効活用することで、ゆとりある生活を送ることができます。
◯初回の融資額の増額が可能
自宅のリフォーム代金や老人ホームへの入居一時金など、まとまった資金が必要な時には、初回の融資額が増額できる場合もあります。
■今後の問題点
ただし、以下のようなリスクもあります。
・契約の満期を超えて長生きする。
・契約期間中に担保物件の評価価値が下落する。
・返済時に担保物件の売却価値が借入残高を下回る(担保割れ)。
リバースモーゲージが、今後大きく普及するかどうかは、さらなる住宅流通市場の整備や減税制度などの整備にかかっていると言えます。
※この記事は過去にメルマガで配信した内容です。
法改正等により、現状とは異なっている部分がある可能性がありますことをご了承ください。
2015年1月8日(Vol.66)、2015年11月2日 (Vol.145)、2016年8月1日(Vol.198)
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