不動産投資の画像

投資用不動産はメリットがあるのか?

Q: 最近、テレビや新聞の広告に投資用不動産で副収入をと言っていますが、どのようなことでしょうか?

少し怪しい感じもするのですが本当に大丈夫なのでしょうか?

 

A: 近年、低金利の期間が長く続いているので、資産運用の方法として投資用マンションが多く売りに出されています。主にワンルームマンションの1部屋買って貸しに出して、家賃収入を得ようとするものです。

特に、一般サラリーマンを相手に現金を持たなくても、金融機関から借入を起こしても十分に利益が得られるというものですが、本当にそうなのでしょうか?

単純に借入金利が4%程度でも、家賃収入が投資額の6%以上あれば、借入金を返済しても利益が得られるということですが、細かいところに落とし穴があります。

●投資用ワンルームマンションのランニングコスト

・固定資産税…年間に想定家賃の概ね1~1.5か月分

・管理費、修繕積立金…マンションにより異なるが、月額1万円から1.5万円

・火災保険料…年間3万円程度

・仲介業者への仲介手数料…入居者が入れ替わるたびに家賃0.5か月分(表向きはそうでも実際は広告宣伝費と称し、別途1~2か月分程度支払わされることもある)

・改装費用…入居者が入れ替わるたびに10万円から20万円程度必要(年数がたてば、段々改装部分が多くなり高額になります)

以前なら、保証金を預かり一定額の敷引きが出来ていたので、仲介手数料や室内改装費用はこの敷引きで賄えていましたが、敷引きが禁止され、また最近は契約時の敷金礼金が0円なのが半ば常識化してしまい、仲介手数料も持ち出しになります。

敷金礼金が0円であると、借りる人にとって借りやすく出やすくなり、貸室1契約当たりの賃貸契約期間も短くなりました。オーナーの持ち出し金額は以前に比べ大変多くなっています。

●投資用ワンルームマンションの短所、長所

(短 所)

・ランニングコストが意外とかかるので、金融機関から借り入れをする場合、表面上の収益率以上に支出がある。

・1棟に数十室、同じようなワンルームマンションがあるので、空室になった時、自分の持ち部屋にすぐに新たな入居者が決まるかどうかわからないので、空き部屋になっている期間は、家賃収入が入らない。販売する会社によれば「家賃保証」をする場合もありますが、その場合の借り上げ家賃は地域相場の70~80%程度であることが多いです。

・同じく、そのようなワンルームマンションがあるところは、近隣に新たな同じようなワンルームマンションが新築されるので、家賃設定を再考せざるを得なくなる場合もあり、当初に想定した収入計画、借入金の返済計画が大幅に変わる場合がある。

(長 所)

・相続対策に使える。他人に貸している住宅は「貸家建付地」に評価され、相続税評価額が安くなります。手っ取り早い相続税対策になります。

・金融機関から借り入れをしない場合や借入金が少ない場合、その投資用マンション市場価格が高ければ、運用益と将来売却した時に売却益が得られる可能性があります。

不動産投資は物件価格が高額であり、購入時点での相続税や所得税の節税対策が上手くいっていても、その後税制は改正されることはよくあることです。資金的に無理のない範囲で運用されることを願います。

 

 

不動産投資を兼ねながら相続対策

相続対策を検討する上で、不動産を有効活用すれば効果があることはわかりました。

不動産を活用する場合、相続税が安くなるだけでなく回収出来る金額についても考えなければならないと思います。

不動産投資と相続対策の関連について教えてください。

 

 

A: 相続対策として不動産投資をするなら、一棟マンションやアパート、マンションの一部屋などを購入するようなパターンが考えられます。

 

*「一棟マンション、アパート」

一棟マンション、アパートを相続対策として購入する目的は、時価相場(購入価格)より、相続税評価額が低いことを狙ったものです。また、購入価格に対する賃貸収入の割合である利回りが、市中の金融機関の預金金利より高いことの魅力です。

 

<効果>

・投資金額(購入金額)より、相続税評価額が低い。概ね60%から70%

・賃貸収入が入ってくるので、将来の納税資金になる。

・大都市および周辺地域での立地であれば、そのままでも、将来売却しやすい。

<注意点>

・修繕費、固定資産税、維持費などの保有コストが意外にかかる場合がある。

・賃貸市場の動向により、現在の賃貸収入が将来までも約束されない。

・売却時の入居状況次第では、売却困難になる場合がある。

 

*「マンションの一部屋」

マンションの一部屋購入の場合は、投資金額が少なくてもできます。この場合も、基本的には時価相場(購入価格)より、相続税評価額が低いことを狙ったものです。特に、都心のタワーマンションの最上階などになると、購入価格と相続税評価額が大幅にかけ離れている物件もあります。

 

<効果>

・投資金額(購入金額)より、相続税評価額が低い。(大都市中心部とその周辺)中層階の場合、概ね50%から60%、最上階は概ね30%から50%のものもあります。

・人気のタワーマンション等の場合、新規の分譲価格を大幅に上回った価格で換金できる場合もあります。

 

<注意点>

・投資金額(購入価格)に見合った賃料収入(利回り)が見込めない場合が多いです。

・管理費、修繕積立金、大規模修繕費用等、保有コストが意外にかかる。

・管理組合等、住まない場合でも、コミュニティへの参加が必要になります。

 

どちらの場合も、投資金額と相続税評価額との評価差乖離による、節税対策が目的ですが、相続までの期間が長い場合は、「一棟マンション、アパート」が良いと思われます。「マンションの一部屋」は、相続までの期間が短い場合は相続対策の即効性がありますが、長期にわたると、保有コストが重くのしかかる場合があります。

 

最終的には相続発生後に換金することが必要になった場合、換金しやすい投資物件を選ぶことが必要です。

 

 

海外不動産の節税は果たして大丈夫か?

Q:経営者仲間の中には、海外不動産を活用して所得税の節税をしている人がいます。

確かに話を聞いているとメリットは大きい様に感じます。顧問税理士に相談をすると

現時点では確かにメリットはあるが、将来的には税制リスクが大きいのでその点は十分考慮して下さいと言われました。

果たして海外不動産の節税は大丈夫なのでしょうか??

 

A. 税制変更リスクは常に意識しておく必要があります。

海外不動産を使った節税スキームはメジャーになりつつありますが、時々「本当に大丈夫か?」というご質問を頂きます。

まずはこのスキームを確認します。

・海外にある建物の価格80%、土地の価格20%という「中古」不動産を購入。

※  総額2億円で購入した不動産の1.6億円が建物の価格となる。

※  木造で古いものであれば、耐用年数は4年。前述の例であれば年間4,000万円の減価償却費が計上できる。

・  「毎年の賃料収入<毎年の減価償却費」となり、不動産所得は赤字。

・  減価償却費が多額なので、損益が赤字になっているだけで、キャッシュフローはプラスになる。

・  不動産所得の赤字と給与などの所得が相殺される。

・  確定申告すれば、「多額の」源泉所得税が還付される。

※  減価償却費の額によっては、全額が還付される。

・  翌年の住民税も「大きく」節税できる。

さらに、このスキームには続きがあります。

・  不動産の売却益に対する税率が下がったタイミングで、取得価額とほぼ同額で売却する。

※  海外不動産は価値が下がりにくい場合も多い。

※  富裕層の一定のコミュニティーの中で売買を繰り返し、購入時点で、売却金額がある程度の確度で保証されているという噂もあります。

※  売却した年の1月1日において所有期間が5年超であれば、税率は約20%

※  売却(出口)で課税されても、節税した部分の税率は55%なので、約20%で課税されても「大きく」節税になる。

これについては、下記のような報道もあります。

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国土交通省によれば、例えば米国であれば住宅の建築から滅失までの平均期間は66年と日本の2倍で、英国はさらに長く80年となっている。

その分、住宅市場も中古物件が主流を占め、日本では住宅の流通シェアのうち中古は15%ほどであるのに対し、米国は83%、英国は87%、フランスでも87%と、日本とは大きな開きがあることが分かる。

つまり、日本では木造住宅は20年ほどで資産価値を失うのに対し、海外ではそれ以降も市場に出回る資産としのて状態が長く続くということだ。

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これに対しては、この様な報道もあります。

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会計検査院が国外の中古不動産を利用した節税策を指摘

会計検査院は7日、平成27年度の決算検査報告を取りまとめた。報告では、富裕層の一部が国外にある中古不動産を利用して行っている節税策の実態を明らかにしており、現状の問題点を指摘した上で、財務省に対して国外に所在する中古の建物に係る減価償却費のあり方を検討するよう求めた。

検査院の指摘はその後の税制改正に結びつくことが多く、本件に関する動向も注目される。

なお国外に所在する中古等建物を譲渡したり、我が国から出国して非居住者となり我が国の所得税法の適用を受けない者になったりすることになれば、将来的に増加することになる所得税額の一部を負担しない場合が生ずることになる。

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現時点では将来的に税制がどうなるかは分かりませんがですが、節税目的(特に個人)で海外不動産に投資を検討されている方は「税制改正のリスク」ということは想定しておくべきでしょう。

 

※この記事は過去にメルマガで配信した内容です。 法改正等により、現状とは異なっている部分がある可能性がありますことをご了承ください。

2015/10/1(Vol.137)、2016/1/7(Vol.160)、2018/3/19(Vol.269)