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脱税に使われた逆養老とは?

Q: 先日、新聞で報道されていた「生保悪用 6000万円脱税疑い」という記事に書かれていた逆養老という仕組みはどのような仕組みなのでしょうか?

詳しく教えて頂けませんか?

 

A: この逆養老は、養老保険という保険商品を活用した仕組みの一つです。

契約形態は以下のようになります。

契約者:法人
被保険者:社長など
死亡保険金受取人:法人
満期保険金受取人:社長など

なお一般的に法人での養老保険は、

契約者:法人
被保険者:役員・従業員
死亡保険金受取人:被保険者の遺族
満期保険金受取人:法人

という形態で福利厚生の目的で使われる事が多く、逆養老はこの受取人を「逆」にする事から名付けられたプランです。

逆養老の契約形態について、保険料支払時の経理処理については明確な税務上のルールはありませんが、一般的には保険料を半分にして「支払保険料損金・社長の給与」として処理を行います。

※ 社長の給与部分は社長への貸付金または社長からの借入金返済にする事も可能とされています。

満期時には、満期保険金に対して満期保険金受取人への所得として一時所得課税がされます。

今回の事案は新聞報道によりますと、個人で受け取った解約金を一時所得の申告をしていなかった事と法人から個人へ名義変更をした際に法人での益金について申告をしていなかった事が原因のようです。

この逆養老は「逆ハーフタックスプラン」や「リバースプラン」と呼ばれ、法人生命保険の活用法としては有名なスキームで、節税効果が高いスキームと言われています。ただし使い方や経理処理は非常に注意が必要なスキームであり、税務訴訟になっている事案もあるスキームです。

取扱には十分な注意が必要なプランですので、ご興味のある方や既に導入済みで今回の事案について詳細を知りたいという方はお気軽にご相談下さい。

 

養老保険の否認事例

Q:当社では、福利厚生と退職金積立・節税を兼ねて役員・従業員を対象に養老保険をかけています。支払保険料の半分が損金になる契約形態です。

ただ、先日営業に来た保険営業マンが「従業員対象の養老保険は税務調査で否認されている事例がいくつかあるので注意が必要だ」と言っていました。

具体的にどんな点に注意すれば良いのでしょうか?

 

 

A.保険の対象者には十分注意してください。

養老保険を役員や従業員を対象に加入させる、いわゆる「ハーフタックスプラン」は、法人における生命保険活用としては古くるから利用されているオーソドックスなプランです。

まずはこのプランの内容から確認します。

契約者を法人、被保険者を役員・従業員、死亡時の保険金受取人を被保険者の家族・満期時の保険金受取人を法人にする契約形態を取る事で、死亡時の保障が役員・従業員の家族に付与される事から「福利厚生プラン」とも言われており、この契約形態で支払う保険料の1/2は「福利厚生費」として損金計上が可能で、残り1/2は「保険積立金」として満期時まで資産計上する経理処理を行います。

まずこのプランで一番注意しなければならない点は、対象となる役員・従業員です。全役員・社員のうち一部だけがこのプランの対象となっている場合には、一部役員・従業員のみに保障が付与されているために、「福利厚生費」ではなく「給与」と認定されるリスクがあります。

実際に税務調査で否認されているケースとして一番多いのがこれで、一部の役員・従業員しか加入していないケースです。全体の過半数以上が加入している必要がありますので、新たに入社した役員・社員で保険の追加加入の手続きを忘れているケースが散見されます。

なお、「入社◯年以上」とか「◯◯歳以上」の社員だけを対象にすると言った具合に、加入に対して客観的な条件をつけることは問題ありませんが、この条件で絞った際に保険の対象となる社員が全体の過半数以上いる事が条件になります。

次に指摘されているケースとして多いのが、退職した社員の契約がそのまま残っているケースです。退職をした際には、退職社員の契約は解約する必要があるのですが、その解約手続きを忘れて、引き続き保険料を支払って、その退職社員の保険料について1/2を損金計上しているケースです。

退職をして全く関係のない「赤の他人」に対して支払った保険料の半分を損金計上していることになりますから、退職者が出た場合には必ず解約をする必要があります。

あと保険金額の設定方法や役員・従業員との保険金額格差など、上記以外にも指摘されている事例がありますので、気になる方は弊社までご相談くださいませ。

 

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2015/1/19(Vol.68)2018/6/11(Vol.280)