社員が会社のPCの画像

社員が会社のPCを私用に使っていたら

当社では、業務上必要なので社員1人に1台ずつパソコンを貸与しています。

先日、会社から貸与を受けているパソコンを使って私用メールを送信したり業務に関係のないインターネットサイトを閲覧している社員がいることが発覚しました。

また外回りの社員には、パソコンだけでなくタブレットやスマートフォンも貸与しており、社員が私用に使っているのでは?と懸念しております。

これらの私用について禁止させるにはどのようにすれば良いでしょうか?詳しく教えて下さい。

 

A:会社が支給したパソコンやスマートフォンについては、利用ルールを明確にしておくことが重要です。

最近では、会社で社員1人に1台のパソコンやスマートフォンを使用させているケースが多くなってきました。この会社が使用させているパソコンやスマートフォンで社員が、私用メールや業務に関係のないインターネット利用をするケースが散見されるようになり、困っているという相談が増えてきました。

会社は業務上必要であるからパソコンやスマートフォンを貸与しているのですが、個人所有物と同じように私用利用するケースは、就業規則などに定められている「職務専念義務」の違反とみなすことが出来ます。

職務専念義務とは、「従業員は、この規則及びその他の諸規程を遵守し、業務上の指揮命令に従い、自己の業務に専念し、業務運営を円滑に行うとともに、相互に協力して職場の秩序を維持しなければならない。」という規定であり、多くの就業規則に盛り込まれている項目であると思います

この職務専念義務に違反した社員に対して会社側が、何らかの罰則を科したり、解雇することは過去の裁判例等を見ても認められるケースが多くあります。もちろん、いきなり罰則を科したり解雇することは出来ないので、一定のルールを定めてそのルールに従って処分をする流れになります。

具体的には、就業規則などに業務上必要に応じて貸与されたパソコンやスマートフォン・タブレットなどは、会社側が必要におうじて検査出来ると明記しておき、そして私用利用が発覚した場合には、就業規則違反に該当すると文章で注意を促しましょう。

この文章は指導記録として残しておくことが重要で、繰り返し私用利用をする社員に対して最終手段として解雇等を実施する際の証拠書類となります。このような手順をキチンと踏んで処分をしなければ、処分が無効になるケースもありますので、十分に注意をしてください。

さらに最近では、ツイッターやフェイスブックといった「ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)」を利用している社員も増えてきました。このSNSを活用して、社内情報や取引先情報などを不用意に書き込んで問題になるケースも増えています。

このSNSについても、利用について規制を明示しておく必要があります。具体的には、

・ 利用ルールの明確化
→勤務時間中の投稿を禁止する、社内・顧客情報の書き込み禁止など・ 社員に対する利用誓約書への署名捺印を取り付ける・ 社員に対する利用方法の研修を行う・ 問題投稿を発見した際の対応ルールを明確にする・ 処分内容を決めておく

こうしたルールを事前に明確にしておくことで、社員に対する「抑止力」として有効に機能しますので、会社のパソコンやスマートフォン・タブレットやSNSの利用についてルールを明確化しておくことをオススメします。私用利用やSNSの不用意な投稿により、情報が漏洩し甚大な被害が発生するまえに予防策を講じておくことが重要な対策になります。

社内ルールの見直しなどのご相談は、専門家が対応しますので、まずはお気軽にご相談くださいい。

 

 

社員のヒゲは剃らせる事が出来るか?

Q:正月休みや夏休みなど長期休暇を終えた社員が出社してきた際にヒゲを生やして来ました。
事務職や現場職ならまだしも営業職の場合には、顧客の印象もあるので剃らせたいと思います。
会社の命令でヒゲを剃らせる事は出来るのでしょうか?

 

A:非常に難しい問題ですが、ヒゲを剃らせる事は出来ない可能性が高いです。

基本的にはどのような身なりをするか?ファッションや服装は各人の自由であり基本的人権の一つです。ですが、これがビジネスとなると少し意味合いが変わります。

会社のルールや秩序を乱す事が自由ではないので、就業規則等で社員の服装を制限している会社は多くあります。ですが実際に定めた規則をどこまで徹底出来るのか?果たして規則に基づいて社員のファッションや服装を制限出来るか?というとかなり微妙です。

実際に過去の労使裁判の中では下記のような判例があります。

・ 社員がヒゲを生やしている事を理由に、職務を限定しそれに伴い手当をカットした事を不服として社員が会社を訴えた事例
→裁判において減額は無効とされ、社員に未支給分の手当の支給と慰謝料支払を命じて会社側が負けた。

・ ひげを理由に接客の仕事を外されて待機を命じられ、その間の賃金支払について会社と社員が争った事例
→ひげは個人の趣味・嗜好である自由なので、社内規則等で一律にひげを禁止するのは、やり過ぎであり会社は賃金を支払うべきであるとの判決が出た。

過去の判例を見ていると、労働契約等において服装や身なりの規制をする事自体はOKであるが、それらの服装や身なりが業務遂行上にどの程度影響を当たるのか?そして社員の利益や自由をどの程度侵害するのか?という点がポイントになると思われます。

重要なのは社員とのコミュニケーションであり、会社に対するロイヤリティー(忠誠心)をいかに高めるか?という普段からの社員教育などが重要なポイントであると言えるでしょう。

規定の見直しや実際の運用については、経験豊富な専門家をご紹介いたしますので、お気軽にご相談下さい!

 

※この記事は過去にメルマガで配信した内容です。
現行の保険業法の改正等により変更となっている場合がありますことをご了承ください。
2015/2/9(Vol.74)、2015/12/14(VOl.156)